インフルエンザ

インフルエンザ予防接種

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症です。事前にワクチンを接種し、インフルエンザに対して抵抗力(抗体)を作っておくことで発症や重症化を予防することができます。
インフルエンザワクチンを接種したからといって、手洗い、うがい、マスクをするといったインフルエンザに対する他の予防策が不要になるわけではありません。
こうした予防対策に加えてワクチンを接種することで、さらに予防効果を高めた上で、もし罹ってしまった時でも、重症化リスクを抑えることが大切です。

インフルエンザ予防接種の効果

インフルエンザに感染している人から、くしゃみなどによる『飛沫感染』と、その飛沫がついた手でさわったドアノブ、食器などに触れて、その手を口、鼻、目などにもっていってしまうことで感染する『接触感染』があります。
そのため、飛沫感染予防にはマスクなど、接触感染予防には手洗いやうがいが有効です。その上で、ワクチンを接種しておくことで重症化を予防するというのが効果的な対策です。
厚生労働省のある調査では、予防接種を受けなかった100人と受けた200人では発病率が30%と12%という大きな差があり、この差を計算するとワクチンの有効率は60%に上るという結果があります。この数値は、ウイルスが体内に侵入した人10人に6人は発病を防げたということです。
インフルエンザは感染して1週間ほどで自然に治癒しますが、まれに肺炎や脳症を合併し、命にかかわるほど重症化してしまうケースがあります。
ワクチンを接種しておけば、重症化は高い確率で予防できます。

インフルエンザ予防接種の接種時期

日本では、インフルエンザは12月ごろから発症が始まり、1月末から3月上旬ごろまでに流行ピークを迎え、4月には終息に向かっていきます。
ワクチンを接種してから2週間ほどで免疫ができあがり、その効果は5か月ほど続くとされています。インフルエンザワクチンは自治体によって接種開始日は異なりますが、医療関係者や基礎疾患のある方の接種が10月後半に始まります。ピーク全体をカバーするなら、その時期から12月のなかば頃までに済ませておくのが効果的です。

インフルエンザ予防接種の費用について

予防接種は病気の治療ではありませんので、健康保険は適用されません。その変わり、予防接種法によって定められた接種対象者には、多くの自治体や企業などが補助を行っています。詳しくは企業担当者やお住まいの自治体に問い合わせてください。

65歳以上 2,500円(税込)
13歳以上64歳以下 3,500円(税込)

インフルエンザワクチンの接種間隔

生後半年から13歳未満のお子様の場合は、任意接種ですが2回接種が推奨されています。接種間隔は最低でも2週間以上開けることになっていますが、4週間が適切とされています。13歳以上の方は希望すれば2回接種も可能ですが、効果としては1回接種で十分とされています。2回接種を希望される方は1~4週間あけることが適切とされています。
当院では13歳以上の方への接種を対象としています。13歳未満のお子様はかかりつけの医療機関にご相談ください。

インフルエンザワクチンの副反応

ワクチンは抗体を作っていく上で、望まぬ反応がおこることがあります。これを副反応といいます。インフルエンザワクチンの副反応は、接種箇所の発赤、腫れ、痛みなどが一般的なもので、その他、発熱、寒気や悪寒、倦怠感などの症状があらわれることもあります。こうした、副反応は通常2、3日で治まっていきます。
ただし、体質によっては稀に全身にアレルギー反応がおこるアナフィラキシーや、それによってショック症状をおこすアナフィラキシーショックといったケースもあります。
インフルエンザワクチンでは、接種後発生した副反応が疑われる症状の発症については接種した医師からの報告が義務づけられています。以下はその報告例から厚生労働省がまとめた副反応が疑われる例と、接種から発症までの日数を引用したものです。
※引用元 厚生労働省インフルエンザQ&Aより
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html

  1. アナフィラキシー 4時間
  2. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 28日
  3. 脳炎・脳症 28日
  4. けいれん 7日
  5. 脊髄炎 28日
  6. ギラン・バレ症候群 28日
  7. 視神経炎 28日
  8. 血小板減少性紫斑病 28日
  9. 血管炎 28日
  10. 肝機能障害 28日
  11. ネフローゼ症候群 28日
  12. 喘息発作 24時間
  13. 間質性肺炎 28日
  14. 皮膚粘膜眼症候群 28日
  15. 急性汎発性発疹性膿疱症 28日
  16. その他の反応

インフルエンザのワクチンは、ワクチン製造用のウイルス株をニワトリの有精卵に注入し、増殖させて製造します。その際、非常に少量の鶏卵の成分がワクチンに混入する可能性があるとされています。このことから、卵アレルギーの方が接種を心配されるケースがあります。しかし、基本的にはまず影響の出ない微量なものですから、卵アレルギーでも接種は可能とされています。念のため卵アレルギーの方は、接種にあたって事前に医師に相談ください。

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