心窩部痛(胃痛)

心窩部痛(胃痛)

心窩部痛(みぞおちの痛み)も腹痛の一種です。腹痛の中でも心窩部痛は、食道下部から胃・十二指腸までに何かがおこっているときの痛みです。消化管はあまり痛覚神経をもたず、粘膜側に物理的な刺激を与えてもほとんど痛みを感じることはありません。ところが、消化管の周りの神経の構造によって、収縮したり拡張したり捻れたりといった刺激には、非常に強い痛みを感じるようにできています。また、消化管内部で言えば、健康な胃は胃酸に対して痛みを感じることはありませんが、粘膜に炎症を生じると痛みに敏感になり、胃酸がでると胃痛がおこることになります。つまり、胃が痛む場合は、何らかの理由で胃が痙攣をして収縮している状態、ガスなどが溜まりすぎて胃が拡張している状態、食道下部から十二指腸までに炎症がおこっている状態が考えられます。
いずれの場合でも、治療に緊急を要するケースがあるような疾患のサインとなっていることが多く、お早めに消化器内科などに相談してください。

心窩部痛(胃痛)で考えられる消化器の病気

心窩部痛の多くは胃痙攣、膨満、炎症などが原因となっています。考えられる主な疾患としては、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、胃がん、胃アニサキス症、機能性ディスペプシア、十二指腸炎、十二指腸潰瘍などです。また、胆嚢炎・胆石発作の症状でも心窩部痛を生じることがよくあります。

心窩部痛(胃痛)の検査

問診でいつ頃から、どこが、どんな風に痛むのかなどのほか、既往症なども詳しくお訊きします。症状に応じて血液検査や腹部超音波検査などを行い、また胃カメラ検査で食道から胃・十二指腸粘膜の状態を調べて病気の有無を確認することが必要です。
心窩部痛は、虫垂炎(盲腸)の初期症状や心筋梗塞の症状でも起こり得ます。心窩部に激しい痛みを感じたり、痛みが移動したりするといったケースでは、すぐに消化器内科など専門医を受診してください。

当院の胃カメラ検査について

胃痛の治療

薬物治療

原因によって、治療法は異なります。胃や十二指腸が炎症をおこし、びらんや潰瘍がおこっているようなら、胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)やヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、漢方薬を処方します。

食事で心がけること

胃酸の分泌が促進されるような脂肪分の多い食事、コーヒーや香辛料などの刺激物を避け、飲酒を控え、胃に刺激を与えないように心がけます。

生活で心がけること

ストレスや疲労などによっても自律神経が乱れ、胃の痛みの原因となることがあります。そのため、ストレスをできるだけ溜めないように、自分なりの解消法をつくり、適度な運動などによって身体を動かし、十分な睡眠をとるように心がけます。

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